「親の介護が必要になってきたけど、何から始めればいいかわからない」
「介護保険って、いつからどう使えるの?」
「家にオレンジ色の保険証が届いたけど、どうしたらいいの?」
このような悩み・不安を抱えていませんか?
介護が初めての人にとっては、なかなか聞く機会もなく
・わからない
・不安
・誰に相談すればいい
このように思うのも無理もありません。
私は、介護現場の経験が10年以上あり、現在は介護施設の施設長をしています。
そんな、介護のプロである私が「介護保険の基礎知識と活用方法」をわかりやすくお伝えします。
本記事の内容
・介護保険制度とは
・介護認定を受け取るまでの流れ
・役立つ相談先の紹介
あなたは知ってる?介護保険制度とは?

介護保険の申請方法や介どんなサービスが使えるかを解説する前に…
まずは「そもそも介護保険制度ってなに?」ということから、わかりやすく紹介していきます。
介護保険制度は、家族だけでなく社会全体で高齢者の介護を支えるために作られた仕組みです。2000年からこの制度がスタートした、比較的新しい制度です。

結構最近の制度だと思いませんでしたか?
介護保険制度が出来た理由
時代の変化とともに、少子化が進む一方で、高齢化や核家族・単身者などの割合が増加しており、
昔のように2世帯、3世帯で住むことが非常に少なくなっています。
そのため、家族の力だけでは介護するのが難しいため、社会全体でお金を出し、
必要な人が介護サービスを受けられるようにするために、制度が作られました。
介護サービスを受けれる対象者は?
対象となるのは以下の方です。
- 65歳以上の方(原因を問わず、介護が必要になった場合)
- 40~64歳の方(特定疾病が原因で介護が必要になった場合)
ただし、サービスを利用するには「要介護認定」を受ける必要があります。
「介護が必要そうだな」と感じても、認定なしではサービスを使えません。
また、介護保険制度を支えるために、40歳以上のすべての人が「介護保険料」を負担しています。
この保険料が財源となり、必要な人が介護サービスを受けられるようになっています。
親の介護、そろそろ気になりはじめた方へ
介護保険の使い方や申請方法


介護保険は、原則として65歳以上の方が対象です。
ただし、40歳以上65歳未満の方でも特定の病気が原因で介護が必要になった場合、利用できます。
ここでは、実際に介護サービスを受けるまでの流れを、わかりやすく解説します。
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介護保険の申請方法
まず、要介護認定を受け取るまでの流れを紹介していきます。
以下のステップで進みます。
介護サービスを受けるには、介護保険証が必要です。
そのため、まずは「要介護認定の申請」が必要になります。
この申請は、現在住んでいる市区町村の窓口(介護保険課)、福祉事務所で行えます。
- 申請は本人でもOK
- 家族でもOK
- ケアマネジャーに代行してもらうことも可能です。
申請を行うと、市区町村の職員や委託を受けたケアマネジャー(介護支援専門員)が、訪問して「認定調査」を行います。
- 食べることや、服を着る作業、お風呂、排泄などなどにかかる時間
- 本人または家族に聞き取り、どれぐらい介助が必要なのかを確認します。
調査とあわせて、主治医に「意見書」を依頼します。
特に本人、家族が主治医に直接お願いすることはありません。
一番多いのは、定期受診の時に「〇月に介護の更新があります。」と言えば先生も了承されるケースが多いです。
なぜ主治医の意見書が必要かというと、申請者の健康状態を診察し、主治医意見書を作成します。
主治医がいない場合は、市区町村の指定医が診察を行います
調査結果と意見書をもとに、市区町村の審査会が以下のように判定します。
- 非該当(サービス対象外)
- 要支援1・2
- 要介護1〜5
申請からだいたい、1ヶ月程度で通知が届きます



難しく感じるかもしれませんが、調査までするとあとは待つだけです。
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介護サービスを利用するまでの流れ
要介護認定の申請を行い、要介護度の判定と通知がくれば介護サービスを利用するまではあと少しです。



一緒に流れを確認していきましょう!
要介護度(要支援)が認定されたら、ケアマネジャーと相談して「ケアプラン(介護サービスの利用計画)」を作成します。
- 希望や生活状況を伝えるだけでOK(ケアマネがプランを作成)
- 家族の要望もしっかり伝えることが大事
- イメージとしては「カウンセラーに話す感覚」でOK
プラン作成ができると、各関係事業所とサービスの契約を行い利用がスタートします。
- 訪問介護、デイサービス、ショートステイなど
- 自己負担は所得に応じて1割〜3割
細かい話よくわからない!いろいろな事業所を比較したいって方にはこちらがオススメ!
具体的な介護サービスと相談先


ここまで介護サービスを受けるまでの流れをお伝えしてきましたが、ここから先はどんな介護サービスがあるのかを紹介していきます。
また、困った時に聞くことができる相談先も紹介します。
在宅介護を行うときの伝えたいこともこちらで紹介しています。合わせて読んでみてください。


具体的な介護サービスの種類
介護サービスには入所・通い・訪問と大きく分けることができます。
入所系 | 通所系 | 訪問系 |
特養 グループホーム ショートステイ | デイサービス 通所リハ 小規模 | ヘルパー 訪リハ 訪看護 |
- 入所系サービス(施設に預けるタイプ)
-
介護が重くなった方や、在宅介護が難しいケースで利用するのが入所系です。
・特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・有料法人ホーム など
「24時間のケアが必要」「自宅で介護をするのが限界」という場合は、「入所系」を検討します。
- 通所系サービス(施設に通うタイプ)
-
デイサービスやデイケアなど、日中だけ施設に通って介護やリハビリを受けるタイプです。
・入浴、食事、リハビリ、レクリエーションなど
在宅介護の負担軽減にもなるため、便利なサービスです。
- 訪問系サービス(自宅に来てもらうタイプ)
-
ヘルパーや看護職員が自宅に来て支援しくれるのが訪問系です。
・訪問介護(生活援助・身体介護)
・訪問看護、訪問リハビリ など
「できるだけ自宅で過ごしたい」という人に向いているサービスです。
それぞれのサービスは、要介護度や家族の状況に応じて組み合わせて使うことができます。
ケアマネジャーと相談しながら、最適なプランを作ってもらいましょう!
実際に役立つリンク・相談先の紹介
介護の悩みは「どこに相談すればいいかわからない」ここから始まります。
でも、ちゃんと相談できる窓口や、信頼できる情報はあるので安心してください。
ここでは、誰もが使いやすい相談先や便利なリンクを紹介します。
介護に限らず、高齢者の生活支援全般について相談することができます。
・要介護認定の相談
・ケアマネジャーの紹介
・地域のサービス案内など



住んでいる市区町村+地域包括支援センターで検索すると、最寄りの施設が見つかりますよ
制度の確認や信頼できる一次情報を得るには、以下の公的サイトもチェックしてみてください。
・厚生労働省
・介護サービス情報公表システム



1人で悩まないで、相談できる人に聞きながら行動してください。
まとめ 今動けば後がラクになる


介護って、ほんと突然始まります。
「まだ大丈夫」って思っていたら、ある日いきなり入院
「要介護認定を受けてください。」と言われることなんて・・・
でも、そこで慌てないために「今」動いておくことが重要です。
知識を持っておくことだけで、選択肢が増え、ムダなストレスを減らすことができます。
この記事では
・介護保険の基本知識と使い方
・具体的なサービス内容
・相談すべき窓口や便利なリンク
をざっくり解説しました。動いてみれば案外シンプルなんです。
今のうちに、制度を知り、相談先を確認して、できれば資料請求だけでも済ませておく。
たったこれだけで、未来の自分や家族、知り合いを救えることができます。
まずは一歩。動き出したら、介護は「ラクになりますよ」
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