「今は介護職として働いているけど、いつかは施設長になりたい……」
「キャリアアップの方法を知りたい!」
「施設長って、ぶっちゃけどうやってなるの?」
そんなふうに思っているあなたへ。
この記事では、現役施設長である私自身の経験をもとに、リアルなキャリアアップの道筋をお伝えします
介護の仕事は好きだけど、将来への不安がある。
ステップアップしたいけど、何をどうすればいいのかわからない……
そんな悩みに向き合いながら、施設長という働き方の「メリット・デメリット」も正直にシェアしていきます。
読んだあとには、「自分にも目指せるかもしれない」と思ってもらえるはずです。
本記事の内容
- 施設長って、どんな仕事?
- 施設長になるために必要な条件
- 施設長のメリット・デメリット
- 施設長を目指す人におすすめの転職サイト&資格講座まとめ
施設長ってどんな仕事?基本から解説

実際、介護施設の施設長ってどんな仕事内容か知っていますか?
「施設長」って聞くと
「経営管理でしょ?」「数字を見てるだけだろ?」
・・・・そんなふうに思っている人、実は多いんじゃないでしょうか?
でも、案外それだけじゃないんです。
むしろ、介護現場の“何でも屋”として、あらゆる問題に首を突っ込まなきゃいけないのが現実です。
「えっ、そんなことまでやるの!?」って驚く内容もけっこうあります。

現役施設長の私が、リアルな仕事内容をぶっちゃけます。
施設長の主な役割
介護施設の施設長は、現場と経営の両方を見る立場です。
- 施設運営の戦略や予算管理、経営状態の改善
- 職員の採用・指導・育成など。労働環境の整備
- 利用者・家族への対応。(クレーム含む)
- 施設内の安全管理、リスクマネジメント、法令順守
- 行政や外部機関との連携。必要な書類の作成・提出
- 収支管理や請求業務など経営面の管理
ざっくり言えば「人」「物」「金」のすべてのマネジメントする仕事です。
このように全体のことを管理するのが「施設長」としての仕事です。
ただし、私自身いきなりすべてが出来ているわけではありません。未だにわからないことも多々あります。
そんな時には、知っている人に聞いたり、協力してもらったりしてどうにか運営することができています。
上記のことも重要ですが、施設長として重要なのは「人を巻き込む」これが1番です。
人間力がその施設の評価にもつながるのではないかと感じています。



結局、「人を巻き込める人」が、施設長として成功します。
スタッフのマネジメントと利用者対応のバランス
介護施設の悩みの多くは、「人間関係」です。
- 現場の人手不足
- 職員間の価値観のズレ
- 管理職との信頼関係
- 家族からのクレーム
- 利用者への対応ミス などなど
この人の部分をどうバランスよくマネジメントするか?
これが施設長として1番とわれるところです。



「ロボットにはできない仕事」だからこそ、人と向き合う覚悟が必要なんです。
施設長になるための条件は?


「施設長になりたいけど、資格とか必要なのかな……」
そんなふうに思っている人、多いんじゃないでしょうか。
結論から言うと、資格が絶対に必要なわけではありません。
施設の種類やサービスによって、条件が違うんです。



私も最初は「無理だろうなー」と思ってましたが、調べてみたら案外イケるって感じました。
どんな資格が必要?結論:資格がなくてもなれる
施設ごとの条件をざっくりまとめます。
- 特別養護老人ホームの場合
-
- 社会福祉主事の要件を満たすもの
- 社会福祉事業に2年以上従事したもの
- 社会福祉施設長資格認定講習会を受講したもの
このうち1つでも満たしていればOKです。ハードルは思ったより高くない。
- 介護老人保健施設の場合
-
管理者は「原則医師」
→なので介護職が就けるのは「副管理者」などが現実的なライン。
- グループホームの場合
-
グループホームの管理者になるには
- 認知症高齢者の介護に3年以上従事した経験があること
- 認知症対応型サービス事業管理者研修を修了していること
資格より“現場経験”と研修受講がポイント!
- デイサービス・訪問介護の管理者の場合
-
管理者要件なし
→比較的なりやすい!経験とマネジメント力で評価されます。
実は「介護福祉士」じゃなくてもチャンスはあります。資格よりも、経験と巻き込み力が問われる仕事です。



そうは言っても、資格を持っている人が大半です。
現場経験の重要性
施設長になるために、最も重要なのは「現場経験」を積んでいるかどうかです。
- 介護現場をどれだけ知っているか
- チームをどう動かしてきたか?
- トラブル時にどう動き、どう判断してきたか?
- 職員とどうやって向き合ってきたか?
こうした実績は資格以上に信頼として評価されます。
自分の経験から、介護現場を知らない発言がある人には、職員との溝を生んでしまうんです。
「これパズルみたいなもんでしょ?」なんて軽く言われると、現場の人は心が離れます。
意図があってこの勤務にしているのに…
そして大きなポイントとしては、「チームを動かす力」です。
リーダーは「俺についてこい!」ではなく、「ここに向かおう」と方向を示す人。
そのためには、失敗も含めて、いろんな経験を積むしかないんですよね。
現場で汗をかいて、人とぶつかって、反省して、成長して——
そうやって得た「体験の蓄積」こそが、施設長というポジションにふさわしい“重み”になります。
「現場経験が浅いと施設長になれない」という意味ではありません。
でも、経験がないと人がついてこない”のは、間違いなく事実です。
採用されやすい人の共通点
私の経験から言えることは、以下のような人が施設長として「選ばれやすい」です。
- 指示待ちじゃなく、自分から動ける
- 利用者にも職員にも“公平に”接する
- トラブル時に「逃げない」
- 責任を持てる覚悟がある
- 俯瞰でとらえることができる
逆に、「なんとなく上に行きたい」という人は、プレッシャーで潰れやすいです。
実際に、事務所でだんだんと表情が暗くなっている人を介護職員の時に見てきました。
ある日、最近顔見ないなって思っていたら、休職中って聞かされたりしていました。



自分自身、完璧ではないけれど「職場をよくしたい」という想いだけは持ち続けてます。
介護職から施設長になるまでのステップ


介護職として働きだし初めての給料を見た時にビックリしませんでしたか?
私はビックリした記憶があります。昔の記憶ですけど初任給「15万円」程度だったと思います。
バイト代とそこまで変わらんって思ったのが一番です。
でも、ここから少しずつキャリアを積み重ね、今は施設長という立場に就いています。
このパートでは、私が実際にたどってきたスッテプをシェアします。
実務者研修・介護福祉士などの資格取得
介護の世界でキャリアを伸ばすためには、資格の取得は避けて通れません。
施設長になるための条件は?で資格がなくてもなれるとは紹介しましたが、やはり資格は重要です。
私自身も、まずは実務者研修を受け、そこから介護福祉士の資格を取得しました。
正直、資格を取ったからといって、給料が劇的に上がるわけではありません。手当てが少しつくぐらいです。基本給はかわりません。
でも——「任される仕事の質」が変わってきます。
利用者への関わり方
新人への指導役
会議やカンファレンスでの発言力
資格は「スキルの証明」でもあるけど、それ以上に「信頼」を持ってもらいやすくなります。



「資格なんて意味ない」という声もあるけど、介護の世界ではやっぱり“ある”と次のチャンスが来やすいです。
役職経験の積み重ね
介護職から施設長になるには、いきなりポンと昇進することはありません。
たとえば——
- まずは「リーダー」になってシフト作成や指導役を経験
- 次に「主任」として複数ユニットをまとめる役割へ
- その後「副施設長」として、経営・労務に関わるように
役職が上がるたびに、見える景色も変わります。
現場しか見えていなかった自分が、
「施設全体」「経営」「人間関係」……そういった“全体最適”を考えるようになるんです。
そして、自分の役割はなにをする人なのかを考えるようになるんです。



「責任が増えるのは嫌だな……」と思ってた時期もありました。
でも、今は「もっと良い施設をつくりたい」と思えるようになったんです。
施設長の年収・待遇ってどうなの?


「施設長って、やっぱり給料いいの?」
多くの人が1度は気になるポイントですよね。
私も新人のころ、当時の施設長にそれとなく聞いたことがあります。
はっきりとは言われませんでしたが、「600万くらいかな」と答えてくれました。
そのときは正直、「めっちゃもらってるじゃん……」と思ったものです。
でも、いざ自分が施設長になってみると、その金額の“重さ”がわかってくるんです。
平均年収と地域差
施設長の年収は、施設の種類や運営母体(社会福祉法人・民間企業など)、地域によって大きく差があります。
•特養や老健の施設長:年収500〜700万円がボリュームゾーン
•民間のデイサービスなど:400〜550万円程度が多い印象
•地方よりも都市部の方が高めだが、生活コストも比例する
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果からみていきましょう!
実際の声・収入だけで見ていいのか?
施設長になってからは確かに手取りは増えました。
それまでとは比べものにならない金額が入ってきて、「ああ、ここまで来たな」と思った瞬間もあります。
でも、同時に……
- わからないことだらけ
- トラブル対応の連続
- 職員・家族・上司の板挟み
- 経営的な判断責任
そういったものが、一気に自分にのしかかってくるんです。



施設長になりたての頃、生意気にも「この給料じゃ安すぎる」と口にしたことがあります。
今思えば、それは自分の能力のなさに気づいていなかっただけでした。
- 人件費の重さ
- 収支のバランス
- サービスと職員処遇のジレンマ
「もっと給料上げたい」と思っても、簡単じゃない。
それでもなんとかやりくりして、職員も利用者も幸せになるように動く。



給料は大事。でも、それだけじゃこの仕事は続けられない。
「誰かの生活を守っている」という自覚があるから、がんばれるんです!
施設長になるメリット・デメリット


ここまで読んで、「施設長って大変そう…でも面白そう」と感じた人もいるかもしれません。
ここでは、私自身が感じているリアルなメリット・デメリットをまとめて紹介します。



良いことも悪いことも、正直に伝えるので判断材料にしてもらえたらうれしいです。
メリット
- 給料が大幅アップ!(生活が安定)
- 裁量権を持てる(方針・雰囲気づくり)
- 自分の理想に近いチームをつくれる
- 経営・マネジメント・制度の知識が身につく
- 職員・利用者・家族など、多方面から感謝される
施設長になって、一番変わったのはやっぱり給料です。
生活に余裕が出て、家族との時間も少しずつ取れるようになりました。
でもそれ以上に、「自分のチームをつくれること」が一番のやりがいです。
現場の雰囲気を良くして、目指したい介護を実現できるのは、施設長だからこそできること。



自分の理想の介護を、現実に近づけていける。それが、このポジションの一番の魅力です
デメリット
- クレーム処理はすべて自分の責任
- 職員指導の難しさ(感情のぶつかり合いも)
- 経営判断のプレッシャー
- 孤独感(相談できる人がいない)
- いつでも連絡が入る不安定さ
- 人材の確保、採用の難しさ
- 知らない分野でも「対応せざるを得ない」場面がある
施設長って、見た目以上に精神的プレッシャーが大きい仕事です。
何かあったら「すべて施設長の責任」となる場面も多くて、ときには誰にも相談できずに、1人で抱え込んでしまうこともあります。
正直、メリットとデメリットを比べるとデメリットの方が多く出てくるかもしれません。



一番キツいのは、「相談できる相手がいないこと」
施設長を目指す人におすすめの行動プラン


ここまで施設長になったときのメリットやデメリット、なるまでに必要なことをお伝えしました。
ここでは、施設長になるための「行動」を私自身が今現在でも大切にしていることを紹介しながらプランをお伝えします。



言っていることはカンタンな内容だけどなかなか行動にするのが難しいです。
まずは現場で評価を積み上げよう
施設長を目指すうえで、資格よりなにより大切なのが
「現場で信頼を得ること」です。



1年1年積み上げてきて、施設長にならないかと声をかけてもらえるきっかけになったと思います。
- 言われたことに対してすぐに行動できる
- トラブル時に逃げない(冷静に判断できる)
- 聞く姿勢がある
- 安心感を与えれる存在
- 否定しない
このようなことに意識して行動してみてください。
また、「やっている」だけでは評価は上がりにくく、「伝える」を意識することで他者からみたときに
「〇〇さん、最近がんばっているな」って思ってもらいやすくなります。



私も伝えるのが下手だったので、あまり評価は高くなかったように思います。
資格を取るより大事なのは職員からの信頼
施設長になるためには、この資格がないとなれないってわけではありませんが、皆さん必ず資格は持っています。
- 介護福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
- 社会福祉士など
資格があればあるほど福祉・介護のことに精通しており、安心感にはつながるかもしれません。
しかし
資格だけでは職員からの「信頼」を作れるわけではありません。
施設長とは、施設全体をマネジメントする役割で、究極全職員を同じペクトルに向ける必要があります。
そこで、「頼りない」「不安」「自分のことばかりの要求」だと一緒の方向を向くことができません。
そのため、日ごろからのコミュニケーションを心がけ
1人ひとりの意見を聞くことで、「信頼関係」が築けれます。
これは、施設長だからできることではなく、誰もがいつからでも取り組むことができます。
介護の仕事は1人ではできないことが多くあるので、仕事を円滑にするためにも日々の関りを意識してみてください。
転職という選択肢を視野に入れる
ある程度、介護の現場経験を積み、
資格も取り、職員指導やシフト作成も一通りこなせるようになってきた。
そんな段階にいる人なら、「転職」という選択肢も視野に入れるべきタイミングです。
こちらの記事も参考にしてみてください。





前もって、自分の市場価値を把握しておくと、いざというときにすぐ動けます。
なぜ転職が有効なのでしょうか?
それは、「今の職場では施設長になれない人」も多いからです。
- 既に施設長のポストが埋まっている
- 法人内で昇格ルートが見えない
- 評価されづらい職場文化がある •給与テーブルが頭打ちしている
こういった状況に心当たりがある人は、
「がんばればいつかは……」ではなく、キャリアを動かすタイミングかもしれません。
転職といっても、必ずしもすぐに辞める必要はありません。
情報を無料で知るだけでも、キャリアの方向性が明確になります。
施設長に強い転職サイト・資格講座まとめ


「施設長になりたいけど、今の職場じゃ厳しいかも・・・」
「キャリアアップを真剣に考えたい」
そんな方のために、おすすめできる転職サイトと資格講座を紹介します。



どれも無料で利用できるので、情報収集からはじめてみるのがおすすめです。
無料登録できるおすすめ転職サイト3選
メディカルコンシェルジュ【MC-介護のお仕事】
ケアジョブ
転職=今すぐ辞める、ということではありません。
「自分が施設長候補として通用するのか?」を知るための情報収集としても、使ってOKなんです。
施設長へのルートに強い資格講座2選
•介護福祉士の受験資格を得られる講座
•在宅+スキマ時間で学べる
•分割払い・返金保証ありのサービスも
「介護福祉士」の資格を考えているなら、まずはこちらを考えてください。
通信で取得したので、実際に通ったのは5日ほどでした。
自宅学習がほとんどだったので自分のペースで進めることができたので、資格がない場合はまずはこちらの資格を検討してみてください。
\ まずはここから /



働きながら資格を取りたい方には、本当におすすめできます。
•特養などで施設長を目指す場合に有利
•短期間で取得できる講座もあり
•受講要件が合えば狙い目の資格
私は、大学卒業時に取得していましたが、持っていると「福祉の専門知識がある」と評価される場面が多かったです。
\ 行動してみよう! /



法人によっては、この資格を持っているだけで印象が大きく変わります。
転職も、資格取得も——先に動いた人がチャンスをつかみます。
まずは1歩目として、気になるサービスに登録してみてください。
「今の自分がどれくらい評価されるのか?」を知るだけでも、大きな前進になります。
まとめ あなたが施設長になる未来を想像してみよう


ここまで、施設長という仕事のリアルをお伝えしてきました。
大変なこともありますが、そのぶんやりがい・成長・自分らしい施設運営ができるという魅力があります。
私自身も、「介護職から施設長なんて無理だろう」と思っていた時期がありました。
でも、現場で信頼を積み、資格を取り、転職のチャンスをつかむことで、少しずつその「可能性」が現実に近づいていったんです。
- いまの職場で信頼を積む
- 資格をとってスキルを証明する
- 自分の市場価値を知るために転職サイトを使ってみる
こうした行動の積み重ねが、1年後・3年後のあなたの働き方を変えるきっかけになります。



今いる場所に不安や限界を感じているなら、「環境を変えること」も立派な成長です。
私は施設長という仕事にやりがいを持っています。
誰もができる仕事ではありません。
でも、苦悩もあれば、チームをつくる大変さもあり、その中でたくさんの学びと成長があります。
最後に
「いつか施設長になりたい」
そう思った今日が、最初の一歩を踏み出すタイミングかもしれません。
あなたの未来が、もっと自由で、自分らしく働けるものになりますように。
そのきっかけになれたなら、この記事を書いた意味があります。
施設長を目指すなら、「今できる小さな行動」から始めるのが一番確実です!
▼ 今の自分の価値を知りたい方はこちら
▼ 働きながら資格を取りたい方はこちら



情報を集めて、チャンスをつかむ
それがキャリアアップの第一歩です。
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