「施設長って、ずっと事務所に座っているだけでしょ?」
「どこにいるかわからない」
「介護現場のことなんかわかっていない」
こんなふうに思っている人、けっこう多いんじゃないんでしょうか?
私が、介護職として現場で仕事をしている時は、少なくとも上記のことを思っていた時もありました。
でも、実際に施設長の業務をやってみると・・・・
「座っている時間は長くはなったけど、提出書類に時間がかかる」
「現場と事務の板挟み」
「自分の相談相手がいない」など
少し寂しい感じで仕事をしています。
この記事では、現役の施設長でもある私が、実際の1日のスケジュールと仕事内容をリアル目線で解説していきます。
これから施設長を目指す方や、少しでも興味がある方にとって
「施設長の仕事ってこういうものか」とイメージをしてもらえたらうれしいです。
また、現役の施設長の方もみて共感を得てもらえると嬉しいです。
本記事の内容
・施設長の仕事
・ある1日のスケジュール
・施設長のやりがい
施設長って毎日なにしてるの?【語ります】

正直、施設長の仕事ってパッと見だとわかりにくんですよね
事務所に座ってパソコンを触っている時間も多いし、現場に顔を出す時間が少ない日もある。
なので、「施設長=ヒマそう」「座っているだけ」って思われがちです。
ただし、施設長は見えないだけで施設にとって重要な業務を担っているんです。
よくある誤解「施設長=座ってるだけ?」
実際に「施設長の仕事ってなにしてるかわからないですよね。」と言われることもあります。
でも、それって表面的に見える部分だけを見ているからこそ生まれる誤解なんです。
たしかに、事務所でパソコンに向かっている時間はあります。
でも、その裏では
- 勤務調整
- 人事や採用のやりとり
- 行政書類の確認や提出
- クレーム対応
- 運営について
- 職員の給与計算 など…
みえない仕事がたくさんあるのも事実なんです。

実は、座っている時間が一番頭を使っていたりします
1日の仕事は“想像以上に多い”がリアルです
私の働き方で言えば、1日ガッツリ8時間仕事をするってことは、実はあまりありません。
だいたい6時間くらい働いたら、あとの2時間はのんびりしている日も多いです。
事務所で書類整理や、職員との会話をするなど「なにもしていない」ではありません。
本当に何もしない日もあることもありますが…
ただし、これは日によって大きく変化します。
- 職員とのトラブル対応
- 利用者の急変・事故
- 理事長からの急な依頼
- 日付が迫ってきている時の対応
こんな日が重なったり、イレギュラーがあると1日があっという間に過ぎていきます。



忙しい時とそうではない時の差があるので、これが施設長のリアルかも
施設長の主な仕事内容一覧【ざっくり整理】


今現在の自分の仕事内容を整理してみました。
ここに書いている内容がすべてではないですが、ざっくりと書き出してみました。



すべて自分が1から10までしているわけでもありません。
- スタッフマネジメント(採用・育成・評価)
- 利用者・家族対応(苦情・相談)
- 会議・行政報告・書類作成
- 経営・収支管理
- リスク対応・緊急対応(急変・トラブルなど)
- 給与管理
- 労務管理
- 業者間の調整
- 理事長への報告・承認
- 行事参加
- 地域との連携
どうでしょうか?
けっこう多岐にわたる業務内容ではないかと思います。人それぞれ感じ方は違うので一概には言えれませんが…
施設全体を管理する立場であるため、全体を把握する必要があります。そのためには、職員との連携や外部との連携が不可欠です。
このように、連携をとるのが得意な人には向いているのかもしれません。
ある1日のスケジュール公開!


ここでは、実際に私が過ごした「ある1日」のスケジュールをご紹介します。
時間で見ると「え、こんなもん?」と思うかもしれません。
でも、1つ1つの業務の中にトラブル対応・判断・調整が詰め込まれてるんですよね。



まあまあ忙しいかった時のスケジュールを公開します。
施設長の1日(忙しい時)
出勤してまずやるのは、メールなどの連絡確認。
夜勤明けの職員やリーダーからの報告に目を通し、対応が必要なものがあれば即判断します。
月末提出の行政関係の書類を整えつつ、
ユニットから「ちょっと相談いいですか?」の対応も同時進行。
この「書類と人の対応の並行作業」が、地味に集中力を削ります。
ゆっくりと休憩を取ります。
職員から上がってきた報告書・記録類を確認。 ミスや抜けがある場合は差し戻しの指示を出します。
現場の様子を確認しながら、職員に軽く声かけ。
「最近どう?」「困ってることない?」と、気軽に話しかけることで現場の空気をつかみます。
この日は、職員との面談を実施。
業務への不安や今後の目標、希望する働き方などをヒアリングしながら、配置や支援の方向性を整理しました。
施設内のリーダーや主任クラスと情報共有のための会議。
稼働状況や事故報告、行事や人事の動きなどについて話し合い、全体で認識を合わせます。
事務作業や次の日の準備を済ませて退勤。



この日はスムーズだったけど、突発的なトラブルや欠勤が入ると、すぐに1日が崩れます(笑)
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施設長の仕事で大変なこと、やりがいを感じる瞬間


施設長になる前と、なった後では、業務に対する考え方がまったく変わります。
正直、「大変だな……」と思うことの方が多いです。
でもその一方で、「これだから施設長ってやめられない」と思える瞬間もあります。
「一番しんどいこと」と「一番のやりがい」を紹介します。
「職員の人間関係」が一番しんどい
介護の現場は、人間関係がすべてと言っても過言じゃありません。
施設長という立場になると、職員同士の関係性を公平に見て、調整する役割が求められます。
- 職員同士のちょっとした衝突
- ベテランと新人の価値観のズレ
- 多職種との連携不足やすれ違い
このような不満が積もって、チームの空気がどんよりしてくるんですよね…



「あの人とは合わないから外してほしい」とか、「相談しても無駄」と言われることもあります。
もちろん、1人ひとりの話を丁寧に聞いて、少しずつ調整はしていきます。
でも、いつも「これが正解だ!」って言い切れるわけじゃありません。
それでも、日頃から話しやすい雰囲気をつくることが、施設長として1番大切な仕事だと思っています。
自分がやりたいって思っていることが少しでも職員に伝わること
施設長になってから、私がずっと感じているのは
「想いはなかなか伝わらない」という現実です。
「また何か新しいこと始めたな」
「言ってることが難しい」
なんて言われることも多くて、正直ヘコむこともありました。
それでも、毎月・毎回のように「自分が目指す施設のかたち」「大切にしたいこと」を繰り返し会議で伝えてきました。



私の発信から、自分で考えて発信してくれる職員の声を聞くと、「ああ、伝わってる」と実感します。
すぐに結果が出る仕事ではありません。
でも、少しずつ職場の空気が変わっていく感覚が、施設長としての1番のやりがいかもしれません。
もっと詳しく「施設長になるためのキャリアパス」を知りたい方はこちらもどうぞ


まとめ|施設長の仕事は「現場と経営の橋渡し役」


ここまで、施設長としての1日のスケジュールや仕事内容について紹介してきました。
見た目にはヒマそうに見える日もあるかもしれません。
でも、実際は相談・判断・人間関係の調整など、目に見えない部分にこそエネルギーを使う仕事なんです。
施設長になってからわかったのは、
「大変さ」と「やりがい」はセットになっているということ。
「伝わらない」「うまくいかない」ことも多いですが、
それでも職員が少しずつ前を向いてくれたり、職場が良い方向に変わっていく瞬間には、
やっぱりこの仕事をやっててよかったなと思えます。



施設長の仕事に興味があるなら、まずは“現実”を知ってみるところから始めてみてください。
施設長を目指すなら、キャリアの棚卸しから始めてみませんか?



僕自身も「自分の市場価値を知ること」からスタートしました。
施設長は「向いてるか向いてないか」より、少しずつ挑戦しながら学んでいく仕事です。
この記事が、その第一歩になればうれしいです。
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